東洋計器(株)
ガス流量検出器「GAM-01」を開発
メーター交換不要でガス流量の検出可能に
2010年7月14日
東洋計器(株)(松本市 土田泰秀社長)は、都市ガスメーターで計測したガス流量をパルス出力する装置「GAM-01」を開発し、7月下旬より販売を開始します。この装置を活用することにより、省エネに向けたガス使用の「見える化」が実現します。
開発の背景と商品の概要
今回の開発の背景には、「改正省エネ法」に代表されるように、工場や家庭などで日常使用している電気・ガス・水道などのエネルギー使用量を常時監視する仕組みへの需要が拡大していることがあり、「都市ガスメーターを交換することなく、ガス使用量を常時管理できれば」というニーズに応えて開発されたものです。
国内に設置されている都市ガスマイコンメーターの多くが、ガス使用量を外部に出力する機能を有していません。そのため、パソコン等でガスメーターのリアルタイムの情報を収集する場合には、現在設置されているメーターを出力機能搭載メーターに交換するか、出力専用として追加で取り付けるか、いずれかの方法を取る必要があります。
今回開発した「GAM-01」を都市ガスメーターに取り付けることで、都市ガスメーターの交換をせずに簡単にガス使用量の外部出力が可能となります。
主な特長
- 都市ガス用N型メーター1.6号から100号まで取り付け可能です。
- 都市ガスメーターの形状に合わせた設計で簡単に取り付けられます。また、カウンター値の確認、証印玉の確認、マグネット操作等に支障を来たさぬよう、設計上の工夫が施されています。
- 内蔵電池で動作します。直流電源装置により外部から電源供給して運用することも可能です。
「GAM-01」の検出原理
都市ガスメーターのカウンター最小桁の文字車にある1本の銀線(※1)を光センサーにより検出します。都市ガスメーターの文字車は単位流量のガスが流れると一回転します。そこで、文字車部分に発光ダイオード(LED)照明を照射し、そこを銀線が通過して反射した際にパルスを出力するよう設定しました。都市ガスメーターのカウンターは全桁見えるようにカウンターの最小桁部分には「GAM-01」に透明な窓を設けており、かつ太陽光等の外乱光に影響されないよう技術的工夫も施しています。
(※1)都市ガスメーターの自動検定において器差を測定するために使用するもので、文字車の「0」と「1」の間に貼付されている銀色の線です。
接続例
パソコン常時監視の例
パソコンで常時監視するには、パルス出力(オープンコレクター方式)対応の計測機器(東洋計器製パルス電文変換器「PDC5」等)と接続し、送信機(東洋計器製IP型送信機「IP-V4R」等)を介して、既設のLANと接続し、監視します。
ハイブリッド・カウンタ(ロードサーベイ)使用の例
また、ガス使用量を用途別・時間帯別に分計する装置「ハイブリッド・カウンタ(HyC-5ecoP)」を使用する際も、本装置を取り付けることで、パルス出力ガスメーターに交換することなく使用が可能となります。この場合に専用ソフト搭載PDAを組み合わせることにより、簡単に曜日別や時間帯別に分析できます。
今後の展開
今後の展開としては、学校や工場、デパート、病院など、ガスを多く使用する箇所へガス使用の常時把握を提案し、「省エネ」「CO2削減」「コスト削減」のサポートを推進していく考えです。あわせて、省エネ意識の高い一般家庭にも販売していきます。価格は3万円で、初年度2万台の販売を目指しています。