東洋計量史資料館にて 4月5日(金)に開催
株式会社クボタが製造した 貴重な工業用はかりの寄贈式
2024年3月15日
東洋計量史資料館(土田泰秀館長)は、株式会社クボタ(大阪市浪速区 北尾裕一社長)製造の貴重な工業用はかり等5点の寄贈を受け、資料館で長く保管していくこととしました。
株式会社クボタは、大正期よりはかりの事業を行っており、特に戦後は、日本の急速な工業化に伴い、生産現場などで使われる大型の工業用はかりにおいて、傑出した計量機器を開発・生産してまいりました。1990年頃から歪センサーと電子技術を融合したロードセル式はかり(電子はかり)が登場し、かつて日本の工業化を支えてきた機械式の工業用はかりの生産は一気に減少しました。これまで200~300年間にわたって使用された、刃や刃受け、槓桿(こうかん:さお、目盛りざお及びてこの組み合わせからなるはかりの一構成要素)を有するはかりはなくなっていきます。
株式会社クボタでは、歴史的な役割を果たしてきた工業用のはかりを後世に残すため、主要な工業用はかり等5点を、この度、東洋計量史資料館に寄贈することとなり、当館で長く保存していくこととしました。
この度、寄贈式を下記のとおり開催いたします。
なお、本寄贈式は、株式会社クボタはかり事業100周年記念事業の一環として実施されます。
日時 | 2024年4月5日(金)10:00~12:00 |
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場所 | 東洋計量史資料館 住所:長野県松本市埋橋1-9-18 TEL:0263-48-1121(東洋計器株式会社 代表) |
日程 |
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工業用はかり 主要機種
【1】 | 手動さおはかり (予測計付き、印字装置付き) B型レジスター予測計付き計重部 1937年(昭和12年)販売開始 |
複数の送り錘を手動レバーで操作し、さおの平衡をとる構造により、安定して高精度計量を維持。トラックスケールや貨車スケールなどに使用された。 機械式はかりに印字装置を付加したことも大きな特長。 |
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【2】 | 多回転指示・振り子式計重部 CR-3型計重部 1969年(昭和44年)販売開始 |
振り子式指示はかりシリーズの最終版。指針を3回転させ目盛数を3倍に増やした。精度向上や平衡時間の短縮を図るため、オイルダンパー・マグネットダンパーなどを導入している。ひょう量30t、最小目盛10㎏(1/3000)の高精度化をトラックスケールで実現した。 |
【3】 | さお式自動送錘・差動平衡型 HA(ハイアック)型計量重部 1965年(昭和40年)販売開始 |
自動送錘はかりで、サーボ機構により、平衡時間の短縮化、工業はかりとして1/10000の最高精度を図っている。支点には弾性支点(板バネ)を導入した。 |
【4】 | 光電式・振り子式計重部 CR-75型レジスタ計量装置 1975年(昭和50年)販売開始 |
平衡点までの変位を光電素子で取り出し、パルス信号に変換しデジタル方式で計数するので、アナログ式と比べ読み取りが容易となる。風袋分を引くなども簡単に行えるようになった。 |
【5】 | ベルトコンベヤ用積算式計重部 メリック円盤式コンベヤスケール 1955年頃(昭和30年頃)販売開始 |
ベルトコンベヤ上を移動する対象物の重量を連続的に計量できるはかり。ベルトコンベヤの移動に伴い回転するディスクとその傾斜角から重量を算定、本州四国連絡橋建設時の基礎用コンクリート材料の連続計量などでも活躍した。 |