東洋計器(株) 日本初の超音波式スマート水道メーター「AXs」を開発
2024年9月6日
東洋計器(株)(松本市 土田泰正社長)は、国内で初めてとなる計測部と通信部を完全一体化した超音波式スマート水道メーターを開発し、10月9~11日に神戸市で開催される令和6年度日本水道協会全国会議「水道研究発表会」で発表すると共に、併設される神戸国際展示場の日本水道工業団体連合会神戸水道展で展示公開します。
超音波式は、パイプ内の流速によって超音波の伝搬時間が変化することを利用して流量を積算するもので、可動部が無く耐久性に優れており、部品数を減らしたコンパクトなメーター開発が可能となります。
通信部分はLP業界などで約400万台の実績がある当社のIoT-Rと同一のLTE Cat.M1方式です。従来は電子式水道メーターにIoT-Rを接続して自動検針などを行っていましたが、計測部と通信部を完全に一体化することでトータルコストを抑え、通信線との施工作業も不要となります。
本メーターの商品名は【AXs(アックス)】で、アクア事業【A】を大きく変革させる【X:トランスフォーメーションの意】小さくスマートなメーター【s】との意味が込められています。水道事業の抜本的改革と省力化のため、水道メーターのスマート化が各地で進みつつあり、またデジタル田園都市国家構想により地方都市でも進んでいます。「AXs」はこうした水道メーターの新たなニーズに対応するため開発されました。
- エリア全体の自動検針を面的に進めることができます。
- 離島や山間部などの難検針地区、オフィスビルやオートロックマンション、積雪地域、ボックスの蓋を開けるのが難しい場所などでの難検針作業を解決できます。
- メーターアラームや瞬時流量が双方向で把握でき、宅内・空き家・災害時の配管破裂等の漏水有無の早期発見が可能です。
- 随時検針が可能です。水使用量をいつでも確認することができ、水の需要変化に応じた浄水池や配水池の水量調節等にも役立ちます。
- 需要家のスマートフォンなどに、料金明細や毎日・毎時の使用量グラフを表示します。決済も可能なサービス「水るっく(Web明細)」も用意しており、業務の抜本的な改革が可能となります。
- 「見守りサービスKIZUKI」は、水道の利用状況で安否確認をするサービスです。水道の使い始め、一定時間連続使用、一定時間不使用などを監視し、指定の端末(携帯電話・PCメール等)に通報することが可能で、高齢化社会のインフラとして有効となります。
本年10月から量産化を計画し、出荷予定数は初年度3,000台、以降年数万台の出荷を見込んでいます。将来は数十万台に増産する予定で、2022年に新設された第5工場に量産化ラインを設置する準備を進めています。
■超音波式スマート水道メーター「AXs」 外観