東洋計器(株)
不要遮断を回避する「ダブル・ラーニング(DL)方式」LIAの認証得る
今秋より搭載メーターを本格販売
2025年5月27日
東洋計器(株)(松本市 土田泰正社長)は、LPガスマイコンメーターの学習機能を発展させた「ダブル・ラーニング(DL)方式」を開発し、(一社)日本エルピーガス機器検査協会(LIA)から承認されました。この秋より搭載メーターを本格販売します。これにより、多発している秋口の不要な遮断や通報の回避が可能となります。
ダブル・ラーニング(DL)方式は、東洋計器マルチセンターの400万世帯を超える保安関連情報の分析を行い開発した、LPガスマイコンメーターの新機能です。
当社マルチセンターで2022年10月から2023年9月までの1年間に受信した、センター対応が必要な保安通報は約17万件。そのうち、増加流量遮断、合計流量遮断、継続使用時間予告・遮断が約7万件を占めており、現地対応などの負担が年々増大しています。また、センターの人的負荷も増えています。
2021年時点での遮断通報数は約8万件で、このうち、翌年も遮断・通報したものが40%、更に3年連続のものが32%あり、毎年のように繰り返して発生しています。
このような事象はLPガスマイコンメーターの学習機能により起こるもので、夏季の使用パターンのまま気温が下がる秋季を迎えるため、使用量や使用時間の変化に対応できず不要な遮断・通報が多発します。しかし、マイコンメーターの学習機能は、新しい機器を導入した際に安全な使用時間や使用量に自動設定できる優れた点があり、優れた利点を保持しつつ不要な遮断を減らすことが望まれていました。
ダブル・ラーニング(DL)方式は、秋口(例えば9月1日)に前年の冬季間などに学習した最大流量や時間毎の最大使用時間値を呼び出して仮設定を行い、一定期間使用量を監視した上で本設定を行います。これにより各世帯における実際の使用量に基づいた遮断値の設定が可能で、安全性が担保され且つ不要な遮断の回避も可能となります。
なお、合計・増加と継続使用時間の運用はそれぞれ独立して行えるよう開発されています。例えば合計・増加の仮設定は9月1日に、継続使用時間の仮設定は10月1日に行うといった運用も、各地区の気温や使い方に合わせて対応可能です。
ダブル・ラーニング(DL)方式がLIAの認証を得たことにより、5月24日から正式に搭載メーターの販売が可能となりました。本メーター採用の希望が多数あり、部品調達に数ヶ月程度の期間が必要なため、量産化の準備を進め、今秋より超音波ガスメーターにダブル・ラーニング(DL)方式を搭載した器種を本格販売します。
秋季から冬季にかけては、特にガスの使用量が増加するシーズンであり、不要な遮断・通報の回避はLPガス事業者様の業務負荷改善に寄与すると共に、ガス利用者様の立場からも、安全に安心してガスを使うことに繋がります。
東洋計器(株)は、ガス業界発展のため、ダブル・ラーニング(DL)方式を広く推進していき、要請があればオープン化する考えです。
■ダブル・ラーニング(DL)方式搭載 超音波ガスメーター
