2025年5月9日 牡丹の花を追って

眩しさが増した陽光の下、植物たちの青葉が鮮やかで美しい新緑の時期を迎えました。
この春から夏へと移りゆく季節の橋渡しをするように、牡丹の花が咲き始めます。牡丹はその豪華で優美な花姿から「百花の王」「富貴花」とも呼ばれ、古くから和歌や絵画に登場するなど親しまれてきました。幾重にも重なった花びらがほどけるように開花していく様子もまた良さがあり、見る人を楽しませてくれます。

女鳥羽山道樹院 玄向寺

松本市にある玄向寺は、開創460年を超える浄土宗の寺院です。境内には120種類、約1,350株の牡丹が植えられており、「ぼたん寺」の愛称で親しまれています。牡丹だけでなく四季折々の景観が美しいことから、1980（昭和55）年、玄向寺の境内は松本市の特別名勝に指定されています。

参道には多くの石仏が並んでいました。石仏の脇に咲く牡丹はどこか風情がありますね。

玄向寺は松本城主水野家の菩提寺でもあり、裏山には松本市の特別史跡に指定されている水野家廟所（びょうしょ）のほか、観音堂、女鳥羽の滝など多くの文化財があります。

雨宝山 常光寺

松本市の隣に位置する塩尻市にある常光寺は、色とりどりに咲く牡丹が有名な寺院です。境内には70種類、約1,000株の牡丹が植えられているそうで、毎年多くの方が訪れ、散策しながら牡丹の花を楽しんでいます。

カエデは、初夏の頃にユニークな形の赤色の翼果（果実）を付けます。秋に向かってこの翼果が乾燥して茶色くなり、風に乗って木から旅立ち遠くへ種を運びます。そしてくるくると回転して着地した場所で発芽するため、その見た目や特徴から「プロペラ」「ヘリコプター」とも呼ばれるそうです。

隣接する小松家住宅には大きなツツジの木がありました。花数が多く圧巻です。
小松家住宅は当時の農家としては珍しい茅葺寄棟造の主屋で、近世民家の祖型の一つとして貴重な民家建築と評価され、国の重要文化財に指定されました。塩尻市内には、他に6つの国指定重要文化財の民家があります。

東洋計器敷地内の「らいちょうの森」でも、綺麗な牡丹が咲きました。次は何の花が咲くでしょうか。身近な自然に移りゆく季節を感じ、楽しんでいます。

※掲載されている情報は、撮影当時のものとなります。

撮影：代表取締役会長 土田泰秀