2017年10月27日 秋にまつわるはかり
秋にまつわるはかり
10月も終わりに近づき、寒さがだんだんと増してきました。朝、家を出た時のひんやりとした空気に、秋の訪れを感じます。
今回は、東洋計量史資料館収蔵のはかりから、秋にちなんだはかりをご紹介致します。
コオロギの体重計(中国)
鈴虫やコオロギの鳴き声が聞こえてくると、秋の気配を感じますよね。こちらはそんなコオロギの重さを計る、「蟋蟀(コオロギ)相撲の体重計」です。 コオロギ相撲は2匹のコオロギを戦わせ、より強いコオロギを決めていくもので、主に中国で賭け事の一つとして盛んに行われています。中国では「闘蟋(とうしつ)」と呼ばれ、なんとその起源は1200年前の唐の時代にまで遡るといいます。
コオロギ相撲に関係する道具
- 竹を薄く削って作る吊籠にコオロギを入れ、天秤で重さをはかります。
- 養盆と呼ばれる入れ物で、中に③の鈴房と⑥の水皿を入れコオロギを育てます。
- 鈴房(リンファン)というコオロギの寝床となる入れ物です。
- ごく細い筆に似た茜草(センソウ)という道具で、闘いの前に先端の毛でコオロギをつつくことで、縄張りを侵略するコオロギの触覚と勘違いさせ、闘争心を煽る効果があります。
- 綺麗な鳴き声の虫を入れ、持ち歩きながらその鳴き声を楽しむことが出来る道具です。
- コオロギに水をあげる時に使う小さなお皿です。
調べてみるとコオロギ相撲はとても奥が深く、強いコオロギを育てるためにいろいろな道具が使われていることが分かりました。特にはかりは、対戦相手を決めるための重さを計るものですので、正確な計量が求められる重要な道具です。
糸の太さを計るはかり(イギリス)
寒くなってくると、温かい洋服が必要になってきます。そんな洋服を作るのに欠かせない、糸にまつわるはかりをご紹介します。
こちらの「Yarn assorting balance」は1784年頃の繊維工場で、糸の太さを計るために使われていました。
付属の板のサイズに布を切り、そこから糸を引き出してはかりにかけ、重さによって太さを計りました。
小さいながらも美しいはかりです。
付属の板のサイズに布を切り、そこから糸を引き出してはかりにかけ、重さによって太さを計りました。
小さいながらも美しいはかりです。
卵のはかり(アメリカ)
最後に、食欲の秋にちなみ、卵のサイズを計るはかりをご紹介します。
こちらの「ACME EGG GRADING SCALE THE SPECIALTY」は1924年にミネソタ州のMFG社で作られた、卵のサイズを計り等級ごとに分けるためのはかりです。
右のお皿に卵を乗せることで左側が上がり、止まった位置の数字によってサイズを計ることができます。
右のお皿に卵を乗せることで左側が上がり、止まった位置の数字によってサイズを計ることができます。
東洋計量史資料館無料一般公開のお知らせ
計量記念日(11/1)の記念事業の一環として、11月3日(金)、東洋計量史資料館を無料一般公開致します。
国内外の様々な物指・枡・秤などの貴重な度量衡器の他、お子様に人気の体重が量れるにんげん天秤もあります。
ぜひ皆様お誘い合わせの上、ご来場ください。
詳しくは、東洋計量史資料館ホームページをご覧ください。