2019年5月17日 記念日にまつわる「はかる道具」
記念日にまつわる「はかる道具」
今回は、春から初夏の記念日にちなんだ「はかる道具」をご紹介致します。
調べてみると面白い記念日がたくさん出てきました。
4月19日 「地図の日」
まずは、4月19日の「地図の日」にちなみ、日本地図を作った伊能忠敬も全国を測量する際に使ったとされる「はかる道具」をご紹介します。
こちらは「小方儀」です。小方儀は現在の方位盤の1種です。 自在接手によって常に羅針盤が水平に保たれるようになっています。
こちらの「量程器」は、現在の万歩計にあたります。
腰に装着して振り子の数で、歩数を計測します。
江戸時代から万歩計があったとは驚きです。
こちらは伊能忠敬が安芸の国で投宿した大庄屋の蔵から発見された「浦島測量之図」を複製したものです。
この巻物には、文化3年(1806)に尾道より測量を行ったことが記されており、史実と合致していることがわかります。
4月20日 「郵政記念日」
「郵政記念日」は日本で郵政制度が始まった日です。
そこで、日本や海外で郵便物の重さをはかるために使われた道具をご紹介します。
同じ用途で使うものでも、作られた国によって形や使い方が異なります。
5月5日 「薬の日」
端午の節句で知られる5月5日ですが、実は「薬の日」でもあります。
「薬の日」にちなみ、薬箱をご紹介します。
こちらは1800年頃に使われていた「西洋の往診用薬箱」です。
箱の中には、23種類もの水薬や粉薬、さらに調剤道具までもが入っています。
中央の引き出しには、組み立て式の天秤が収納されており、この天秤は薬箱に立てて使われました。
6月10日 「時の記念日」
6月10日は日本で初めて時計装置が使われた日です。
そこで江戸時代から明治時代にかけて使われていた「香時計」をご紹介します。
「香時計」は抹香(お香)を用いた時計です。
抹香はほぼ一定の速さで燃えるため、その燃えた距離で時間を知ることができます。
寺院などでお香を絶やさないために使われていたものが、いつの頃からか、時間をはかることにも使われるようになったそうです。
現在でも、奈良の東大寺 二月堂のお水取りの儀式で使用されています。
今回紹介しました様々な「はかる道具」は、東洋計量史資料館に所蔵されています。
これからの緑濃くなる季節、松本にお越しの際はぜひお立ち寄りください。
東洋計量史資料館HP https://www.toyo-keiki.co.jp/toyokeiryoushi/