2021年1月18日 世界の「分銅」
今回は、東洋計量史資料館より、重量をはかるときや重量の標準として用いる「分銅」をご紹介いたします。
弥生分銅
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まず初めに「弥生分銅」をご紹介します。
「弥生分銅」とは紀元前500年頃に使われていたと思われる円柱に磨かれた小さな石の分銅です。
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大小さまざまな形のただの石に見えますが、重さをはかると規則性があることが分かりました。
「弥生分銅」は、最も小さいものを1とすると、1:2:4:8:16:32と倍数に整えられていました。
この弥生分銅の発見は、弥生時代に高精度な計量が行われていたことを示しています。
後藤家繭型分銅
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こちらは両替秤の分銅です。
両替商で使われていたものは、すべて幕府によって設けられた大判座および分銅座であった「後藤家」が製造し、重さの比率が乱れないように決められていました。
分銅の形は、蚕の繭をかたどって作られたといわれています。
大蔵省印入り基準分銅
こちらは、貫をキログラムに換算するための明治時代のグラム国家基準器です。
この基準器には、分銅の持ち手付近に明治16年の大蔵省検定印があります。
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秦の始皇帝 分銅
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左の写真は、秦の始皇帝が度量衡を統一した際に定められた基準分銅の完全な複製品です。
地名である美陽の銘が刻まれており、質量は240g(1斤)あります。
本物は、中国の一級文物国宝に指定されており、上海博物館に所蔵されています。
インドの分銅
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インドの分銅はゾウやカエルの形をしています。
古代オリエントでは、動物は神聖なものとして扱われていたため、このように分銅のモチーフとして使われていました。
また、動物の種類によって分銅の重さを区別できるという利点もありました。
Opium weight(オピニアム ウェイト)
「Opium weight(オピニアム ウェイト)」は、商取引用の秤として使われました。
16~17世紀にビルマで発祥したと推測され、タイ・カンボジア・中国などに広く普及しました。
神話上の動物や、犬やライオンのデザインのものが多いです。
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東洋計量史資料館ホームページでは、今回ご紹介した分銅だけでなく、その他のはかる道具もご紹介しています。
ぜひ、下記ページよりご覧ください。